第1回講演会にご参会いただきありがとうございました。

こんにちは。

2010食講演会第一回 001

4月17日、第一回となる講演会が開催されました。
会場には約100名もの方にお越しいただきました。誠にありがとうございました。

今回は、食文化を考える礎、ともいうべき「家庭料理」をテーマに
阿古真理先生に講演をいただきました。

2010食講演会第一回 021
(左)阿古先生、(右)土井先生

阿古先生は、

①昭和二十年代まで、②高度成長期、③安定成長期(昭和五十~六十年代)、④平成の時代

この四つの時代において、阿古先生の家の家庭料理(祖母・母・阿古先生)を辿り

社会学的観点を用いつつ、大変わかりやすくお話ししてくださいました。

お話から、家庭料理が社会構造、政策、メディア等との影響関係において、常に形を変えてきたことがわかりました。

また中でも論点として重要だと思われたことは、〈家庭料理とプロの料理の違い〉を了解していない人が多いこと、それによって必要以上に家庭料理を複雑に考えがちであること、です。

これは土井先生が日頃から主張されていることと非常に近い内容であると感じました。

他にも、土井先生がお母様から伺ったお話など、多くのお話を伺うことができました。
コメンテーターの渡辺万里先生がお話しされた、スペインの現状と日本との違い(スペインの現状は日本の高度成長期に近いものがあること、日本のように中食を多用しないことなど)も大変面白いものでした。
学生質問者の原田さんのお話も、大学生ならではの観点に満ちていました。食をふくめた生活全般への無気力、という問題は、大学生の食生活のあり方を考察する、という目的を有する本研究会において、決して無視できない問題でしょう。

 2010食講演会第一回 016

2010食講演会第一回 026

2010食講演会第一回 025

しかしながら、今回の研究会で最も重要だと思われたのは、阿古先生のお話を伺うことによって、
今回ご参加いただいた参加者の方々お一人お一人が、ご自身の食の「かたち」を振り返ってみることなのだろうと思います。

食の「かたち」は人の数だけ、あるいは家族の数だけ、違います。

阿古先生ご一家の食のかたちは、阿古先生ご家族固有のものです。

その中には、わたしたちが知らなかった食と食文化の日常や祭事、またその知恵がたくさん詰まっていました。

同時に、共感できる部分もたくさんあったことと思います。

みなさんも、ご自身の食の「かたち」を今一度思い起こしてみてください。
じつはそれこそが、本研究会「食の履歴書」プロジェクトの第一歩なのです。

最後になりましたが、ご講演いただきました阿古先生に、貴重なお話をいただけましたことに心より感謝申し上げます。

また皆様には、第二回の講演会にも、ぜひご参会いただけますよう、心よりお願い申し上げます。

山本恵子

This entry was posted in 11_2010食文化のかたちをみちびく講演会. Bookmark the permalink. Post a comment or leave a trackback: Trackback URL.

コメントを投稿する

ご記入いただいたメールアドレスは、公開されません。 「*」のマークが付いた記入欄は、必須項目となっております。

*
*

このコメント欄内では、以下のHTML tags と attributesが使用できます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>