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将軍昼食企画*第1次研究成果
こんにちは。山本です。
将軍昼食企画メンバーの原田さんより、第1次研究成果が早速届きました!
以下に原田さんからいただいた内容をご紹介いたします。
———————–
<担当>
一重 ひじき、色付きくわい
<報告>
①ひじき
江戸時代に出回っていたひじきは伊勢ヒジキのようである。一般庶民も食していた。1645年(正保2)に刊行された松江重頼編『毛吹草』は俳人のための作法書・撰集で、各地の名産品も紹介されている。ひじきは伊勢の名産品として「鹿尾藻(ひじき)」と記されている。伊勢は東海道に位置し、現在の三重県の大部分にあたる。元禄10年に人見必大によって発刊された『本朝食鑑』には、ひじきは「海浜の石の上に生え、長さ二.三寸で鼠尾の短いものに似ている。根は円く、末は細く尖って、蒼黒色。晒乾(さらしほ)すと純黒色に変わる。味は甘脆。俗に能く血を収めるというが、まだ試していない。当今は乾かしたものを全国に出荷する。伊勢・志摩・尾張・参河などの国に多く産する」とある。1801年(享和元年)に発刊された『料理早指南』。「花見の提(さげ)重詰(じゅうづめ)」の箇所は、江戸時代の花見弁当についての記述である。上の部と呼ばれる箱には長ひじきが入っている。長ひじきとは、ひじきの細長い茎の部分のみを切り取ったものを指す。
②色付きくわい
江戸時代にはくわいは精力を減退させると信じられ、僧侶が好んで食べたとされる。しかしこれはくわいの原種であるオモダカと当時の人々が取り違えていたためである。元禄10年に人見必大によって発刊された『本朝食鑑』には、くわいについて以下のような記述が見られる。「冬および春初に、掘って果とする。煮熟(よくに)て食べると、麻渋(しぶ)さが抜けて、咽を刺激しない。灰湯(あく)で煮るのも佳い。」徳川吉宗が1734年(享保19)、諸藩に対して領国の産物を調査報告するよう命じ、全国的に作られたのが『筑前国産物帳』である。その菜類の中に「くわい」そして「黒くわい」との記述がある。色付きくわいとはこの「黒くわい」を指すものと考えられる。しかし黒クワイ(烏芋)はカヤツリグサ科のオオクログワイのことで、日本のくわい(オモダカ科)とは種が異なる。
参考文献
岡田哲 編『たべもの起源事典』(2003年、東京堂出版)
原田信男 編『江戸の料理と食生活』(2004年、小学館)
吉井始子ほか 翻刻『江戸時代料理本集成 翻刻. 第6巻』(1980年、臨川書店)
新村出 校閲、竹内若 校訂『毛吹草』(1988年、岩波書店)
人見必大 著、島田勇雄 訳注『本朝食鑑1』(昭和51年、平凡社)
江原恵『料理物語・考』(1991年、三一書房)
参考URL
○日本ひじき協議会
http://www.hijiki.org/index.html
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以上です。また今後は
「料理法があまり載っていなかったのでそれを調べます」とのことでした。
くわいに関する説明の中に、
「灰湯(あく)で煮るのも佳い」、とあるところに個人的には興味をひかれますが、
それはさておき、
どの種類のくわいを使うべきなのか(使うことが可能なのか)等、
具体的な考察事項が見えてくるような成果をいただけたのではないかと思います。
吉宗の『筑前国産物帳』も有効に説明に加えたいですね。
原田さん、ご苦労様でした。
さらに、当時の調理法につきましても
よろしくおねがいいたします。